穴に小指を入れたいペンギン

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南極にお腹が空いたペンギンがいました。

彼がご飯を探して散歩をしていると、氷の床に穴が空いているのを見つけました。

 

穴の大きさは、直径3センチほど。

覗きこむには小さく、嘴(クチバシ)もぶつかります。

はて、どうしたものか。

 

しゃがんで顔を横にし、穴に耳を当てると、なにやら陽気な音楽や話し声が聞こえます。

鼻をつけてみると、おや!いい匂い。

お腹が空いているので、これはたまりません。

どうやら穴の向こうにはレストランがあるようです。

 

「そうだ!穴を大きくしてみよう!」

 

ペンギンは穴の近くでジャンプしたり、他の氷をぶつけてみたり。

しかし分厚い南極の氷はビクともしません。

 

動いて余計にお腹が空いたペンギンは穴に向かって叫びます。

 

「僕もそっちへ行きたいんだー!」

 

するとどうでしょう。

小さな穴からくるくると丸められた小さなメモ紙が出てきました。

 

こちらは南国レストランです。
御用のかたは、
この穴に小指をいれてください。

 

ペンギンはレストランへ行けると大喜び。

穴の上でダンスをしました。

 

さぁレストランへ。

穴に小指を入れようと自分の掌をみたら、

どれが小指が分かりませんでした。

 

 


 

このショートショートの物語は、田丸 雅智(たまるまさとも)さんというショートストーリーを専門で書いている作家さんのワークショップに参加して作りました。

 

田丸 雅智
1987年、愛媛県生まれ。 東京大学工学部、同大学院工学系研究科卒。
2011年12月『物語のルミナリエ』(光文社文庫)に「桜」が掲載され作家デビュー。12年3月には、樹立社ショートショートコンテストで「海酒」が最優秀賞受賞。新世代ショートショートの旗手として精力的に活動している。
http://masatomotamaru.com

本屋でたまたま見つけた本が田丸さんだったのですが、読んだらすごく気に入ったので、そこからずっと読んでます。

一般的な文系というよりは理系的文章で、感情より情景を書いてる感じや、一歩世界を引いてみているような描写が自分が絵を描くときの風景に似ていて心地よいです。

あと言葉に悪口がないのが好き(笑)

一話が数分から長くても二十分くらいで読めるので、気が向いたら読んでいます。とくに好きなのは「夢巻」かなぁ。

 

そんな田丸さんがショートストーリーの面白さや世界観を世に伝えるために、ショートショートの書き方ワークショップを開催しています。

 

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嬉しいことに著者に直接習えるワークショップです。

「3ステップで書ける! ショートショート作家 田丸雅智の超面白メソッド」
http://lifedesign-lab.avex.jp/tamaribar/3step_shortshort201606/

 

どんなことをするかは内緒ですが、興味がある人がいればまた誘って一緒にいきたいなぁ。

 

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ミーハーだからサインしてもらった。